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頭皮の乾燥とフケ・粉ふきの原因は?皮膚科医が解説する、フケ・乾癬・毛染めかぶれとの見分け方と有効成分別シャンプーの選び方

3 日前
読了時間: 19分

頭皮の乾燥(Dry scalp、Scalp xerosis)とは、頭皮の皮脂と水分が、作られる量を上回って失われた状態です。そのため頭皮がつっぱり、かゆくなり、白くて細かい乾いた粉のようなものが剥がれ落ちます。フケ(Dandruff)は、より大きなフケで、脂っぽく黄色みがあり、頭皮の酵母菌が関係している点で異なります。ごく普通の頭皮の乾燥は、洗髪方法を正しく改めれば、たいてい2〜4週間で改善します。しかし、厚い鱗屑が剥がれる、境界のはっきりした赤い発疹がある、髪が部分的に抜ける、毛染めのあとに腫れて赤くなるといった場合は、単なる「乾燥」ではありません。皮膚科医の診察を受けてください。

10月から1月にかけては空気が冷たく乾燥しますが、多くの方が熱いお湯で毎日洗髪し、一日中エアコンの効いた部屋で過ごしています。そのため、タイでは頭皮の乾燥に関する検索が雨季の約3倍に増えます。この記事では、頭のフケや粉ふきがそれぞれ何によって起こるのか、どのような有効成分のシャンプーを、どのくらいの濃度で、何分置いて使うのか、そしてどのようなサインがあれば受診が必要なのかを整理して説明します。

頭皮の乾燥(Dry scalp)とは

頭皮は体のほかの部分と同じ種類の皮膚ですが、皮脂腺が密集しており、髪の毛に覆われています。最も外側の層(角層、stratum corneum)はレンガの壁のように働きます。皮膚の細胞がレンガ、細胞の間にあるセラミド(ceramide)、コレステロール、脂肪酸などの脂質がモルタルにあたります。このモルタルが洗い流されすぎると、皮膚の水分が蒸発しやすくなります。本来は一つずつ目に見えないほど小さく剥がれ落ちるはずの皮膚細胞が、小さな塊になって剥がれ、肩に落ちる白い粉のように見えるのです。

皮膚はおよそ28日ごとに新しく生まれ変わります。頭皮の乾燥では、この周期自体は正常で、問題は細胞が塊になって剥がれることにあります。一方、フケ、脂漏性皮膚炎、乾癬では、皮膚の入れ替わりが実際に速くなっています。乾癬では3〜5日にまで速まることがあり、そのため鱗屑が厚く重なって積み上がります。この違いが、治療法が異なる理由です。頭皮の乾燥には保湿と洗いすぎの抑制が必要で、皮膚の入れ替わりが速い病気には、炎症や酵母菌を抑える薬が必要です。

頭皮の乾燥とフケの違いは? フケの見た目で見分ける

これは最も大切なポイントです。見分け方を誤ると、頭皮が乾燥している人が強力なフケ用シャンプーを毎日使って、かえって乾燥と剥がれを悪化させがちです。反対にフケのある人が頭皮にオイルを塗り込んで、酵母菌をさらに増やしてしまうことがあります。

  • 頭皮の乾燥によるフケ:小さく細かい、白くて乾いた粉状で、かくと簡単に落ちます。頭皮に脂っぽさはなく赤くもありません。腕、脚、唇など、ほかの部分も乾燥していることが多く、冬に悪化します。

  • フケ(Dandruff):より大きな鱗片状で、白っぽい黄色をしており、やや脂っぽく頭皮に張りついています。頭皮と髪がすぐに脂っぽくなり、2〜3日洗わないとかゆみが強くなることが多いです。

  • 脂漏性皮膚炎によるフケ:フケに似ていますが、赤い発疹を伴い、眉毛、小鼻の脇、耳の後ろ、胸の中央に広がります。

  • 乾癬によるフケ:厚い銀白色の鱗屑で、しっかり張りついています。その下は境界のはっきりした赤い発疹で、生え際を越えて額や耳の後ろまで広がることが多いです。

自宅でできる簡単な確認方法があります。低刺激のシャンプーで一日おきに洗ってフケが減るなら、頭皮の乾燥の可能性が高いです。洗わない日を空けるとフケが増え、頭皮が脂っぽくなるなら、フケや脂漏性皮膚炎の可能性が高いです。フケについての詳細はフケの原因と、普通のフケと脂漏性皮膚炎の見分け方をご覧ください。

頭皮の乾燥の原因

よくある原因の多くは、病気よりも、毎日頭皮に対して行っていることにあります。

  • 洗髪のしすぎ、または熱いお湯:約40度を超えるお湯は、ぬるま湯よりも皮脂をはるかに多く溶かします。頭皮が脂っぽくない人が1日2回洗髪することも、乾燥の原因になります。

  • 洗浄力の強いシャンプー:sodium lauryl sulfate(SLS)など強い界面活性剤を高濃度で含むシャンプーや、必要がないのに毎日使うフケ用シャンプーです。

  • 乾燥した空気とエアコンの部屋:相対湿度が40%を下回ると、皮膚から水分が速く蒸発します。

  • 高温のドライヤーやヘアアイロン:頭皮の近くで強い熱を当てると、熱いお湯を浴びたときのように皮膚が乾燥します。

  • カラー、ブリーチ、パーマ、縮毛矯正:アルカリ性の薬剤や脱色剤は、頭皮を直接刺激します。

  • 頭皮の日焼け:特に髪が薄い方や、いつも同じ位置で分け目を作る方は、日光を浴びた2〜5日後に皮膚が薄く剥がれます。

  • 加齢:50〜60歳ごろを過ぎると皮脂腺の働きが低下します。

  • 全身の乾燥肌やアトピー性皮膚炎:もともと肌が乾燥しやすい方は、頭皮も乾燥していることがよくあります。全身の乾燥肌のケアについては乾燥肌、皮むけ、かゆみの原因をご覧ください。

  • 一部の薬:ニキビ治療の内服薬isotretinoinやそのほかのretinoid系の薬は、頭皮と唇をはっきりと乾燥させることがあります。

洗髪や空気によるごく普通の頭皮の乾燥

  • 特徴:白く細かい乾いた粉状のフケで、脂っぽさはなく、頭皮がつっぱります。軽いかゆみが出ることもありますが、はっきりした赤い発疹や部分的な抜け毛はありません。

  • 原因:洗髪のしすぎ、熱いお湯、洗浄力の強いシャンプー、高温のドライヤー、乾燥した空気、または全身の乾燥肌です。

  • 重症度・緊急性:危険なものではなく、自宅でケアできます。

  • 受診の目安:洗髪方法を見直して2〜4週間たっても改善しない、かきむしって傷になるほどかゆい、または赤い発疹が出てきた場合です。

基本は、皮脂を洗い流す要因を減らし、水分を補うことです。詳しくは下の洗髪方法の項目をご覧ください。このタイプの頭皮の乾燥には、抗真菌薬は必要なく、フケ用シャンプーを毎日使う必要もありません。

シャンプーや化学薬品の刺激による頭皮の剥がれ(刺激性接触皮膚炎、Irritant contact dermatitis)

  • 特徴:頭皮がしみる、ほてる、うっすら赤くなる、薄く剥がれるといった症状です。多くはシャンプーの変更、カラー、ブリーチ、パーマのあとに始まり、薬剤が触れた範囲全体に出ます。

  • 原因:強い界面活性剤、香料、整髪料に含まれるアルコール、脱色剤やパーマ・縮毛矯正剤などで、アレルギーでなくても皮膚のバリアが直接傷つけられます。

  • 重症度・緊急性:多くは重くなく、原因を中止して1〜2週間で改善します。

  • 受診の目安:水ぶくれ、じゅくじゅくした浸出液、強い痛みやしみる感じがある、または発疹が顔や首に広がった場合です。

ケアの基本は、疑わしい製品をすべて中止し、香料の入っていない低刺激のシャンプーで洗うことです。赤みとかゆみが強い場合は、医師が頭皮用のステロイドの液剤またはローションを1〜2週間の短期間で処方することがあります。

毛染めのあとの頭皮の乾燥、かゆみ、腫れ:毛染めのアレルギー(PPD)

  • 特徴:強いかゆみ、頭皮の赤みと腫れ、水ぶくれや浸出液が出て、その後かさぶたのように剥がれます。発疹は生え際、額、耳の後ろに広がりやすく、まぶたが腫れることもあります。

  • 原因:濃い色の毛染め剤に含まれるpara-phenylenediamine(PPD)に対するアレルギー、つまり免疫が関わるアレルギー性接触皮膚炎(Allergic contact dermatitis)です。多くは染めてから24〜72時間後に起こり、同じ銘柄を何年も使ってきた人にも起こりえます。

  • 重症度・緊急性:中等度から重度です。顔や目が大きく腫れた場合は、当日中に受診してください。息苦しさや舌の腫れがある場合は、直ちに救急外来を受診する必要があります。

  • 受診の目安:毛染めのあとに腫れや浸出液が出たときは必ず、そして次に毛染めをする前にも受診してください。

医師が通常行う治療は、きれいな水と低刺激のシャンプーで染料をできるだけ洗い流し、冷やし、頭皮用のステロイド外用薬を使うことです。たとえばbetamethasone valerate 0.1%のローションやmometasone furoate 0.1%のローションを1日1回、約1〜2週間使い、cetirizine 10 mgなどの飲み薬の抗ヒスタミン薬を1日1回併用します。腫れが強い場合は、prednisoloneの内服を5〜7日間の短期間で処方することもあります。一度アレルギーを起こした方は、PPDやtoluene-2,5-diamineなど似た成分を含む毛染め剤を一生避け、毎回染める前に耳の後ろの皮膚で48時間以上のパッチテストを行ってください。詳しくは接触皮膚炎(Contact dermatitis)をご覧ください。

脂っぽいフケが出る頭皮の剥がれ:フケと脂漏性皮膚炎(Seborrheic dermatitis)

  • 特徴:白っぽい黄色で脂っぽく、頭皮の乾燥よりも大きな鱗片状のフケです。髪がすぐ脂っぽくなります。脂漏性皮膚炎では赤い発疹を伴い、眉毛、小鼻の脇、耳の後ろにも出ます。

  • 原因:誰の頭皮にも住んでいる酵母菌Malasseziaに対する皮膚の反応で、皮脂の多さ、ストレス、睡眠不足、気候も関係します。

  • 重症度・緊急性:危険ではありませんが慢性で、時期を置いて再発します。

  • 受診の目安:薬用シャンプーを4週間使っても改善しない、赤い発疹が顔に広がる、またはかゆくて眠れない場合です。

エビデンスの良いシャンプーは、ketoconazole 2%を週2〜3回使い、泡を頭皮に3〜5分置いてから洗い流す方法です。これを4週間続け、その後は再発予防のために週1回に減らします。ほかの選択肢には、selenium sulfide 1〜2.5%、zinc pyrithione 1〜2%、ciclopirox 1%があります。赤みとかゆみが強い場合は、医師が頭皮用のステロイド液剤を短期間追加することがあります。詳しくは脂漏性皮膚炎の原因と、症状を落ち着かせる治療法をご覧ください。

注意点として、オリーブオイルなどの植物油をフケや脂漏性皮膚炎のある頭皮に塗り込むと、酵母菌が増えてフケが増える場合があります。そのためオイルは、本当に乾燥している頭皮にだけ向いています。

厚い鱗屑状に剥がれる頭皮:頭皮の乾癬(Scalp psoriasis)

  • 特徴:境界のはっきりした盛り上がった赤い発疹が、しっかり張りついた厚い銀白色の鱗屑に覆われています。はがすと点状の出血が見られることがあります。発疹は生え際を越えて額、後頭部、耳の後ろに広がることが多く、ひじ、ひざの発疹や爪の点状のくぼみを伴うこともあります。

  • 原因:皮膚の入れ替わりを正常の何倍にも速める免疫の病気で、遺伝も関係します。ストレス、感染症、アルコール、かくことで悪化することがあります。

  • 重症度・緊急性:緊急ではありませんが、関節炎や代謝性疾患との関連があるため、診断を受けて治療計画を立てるべき慢性の病気です。

  • 受診の目安:厚くて張りついた鱗屑、境界のはっきりした発疹、体のほかの部位の発疹、関節の痛み、または爪の変形がある場合です。

医師は通常、まず鱗屑を取り除く治療から始めます。たとえば、salicylic acid 2〜3%のシャンプーや、医師が調合するより高濃度のsalicylic acid外用薬を、洗髪の前に塗って置いておきます。その後、clobetasol propionate 0.05%の頭皮用液剤を1日1回、医師の指示に従って最長でおよそ2〜4週間まで使うか、calcipotrioleとbetamethasone dipropionateの配合ジェルを1日1回、約4週間使います。coal tarのシャンプーは補助的に使えますが、明るい髪色や脱色した髪が黄色く染まることがあります。範囲が広い場合や外用薬で効果が出ない場合は、内服薬や生物学的製剤を検討します。詳しくは乾癬の原因と、乾癬の外用薬の種類、強さ、使用期間をご覧ください。

子どもの頭皮の剥がれと部分的な抜け毛:頭部白癬(Tinea capitis)

  • 特徴:円形または部分的なフケがあり、その部分の髪が短く折れたり、部分的に抜けたりします。膿をもった小さな発疹や、膿の入った柔らかい腫れもの(kerion)を伴うことがあります。後頭部のリンパ節が腫れて触れることもあります。

  • 原因:家族、学校の友だち、猫や犬などのペットからうつる真菌(カビ)です。3〜10歳の子どもに多く、大人にはまれです。

  • 重症度・緊急性:外用薬は毛根まで届かないため、内服薬での治療が必要です。放置したり、炎症が強いタイプだったりすると、瘢痕が残り、髪が永久に生えなくなることがあります。

  • 受診の目安:フケと部分的な抜け毛がある子どもは、必ず受診してください。

医師は通常、体重に応じた量のgriseofulvin(約20〜25 mg/kg/日)を6〜8週間、またはterbinafineを体重に応じた量で約4〜6週間、菌の種類によって使い分けて処方します。あわせて、感染を広げにくくするために、ketoconazole 2%またはselenium sulfideのシャンプーを週2〜3回使います。症状のある家族がいる場合は、同時に診察を受けてください。詳しくは頭部白癬(Tinea capitis)の症状と治療をご覧ください。

日焼けのあとの頭皮の剥がれ

  • 特徴:日光を浴びたあと、分け目や髪の薄い部分の頭皮が赤くなってひりひりし、2〜5日で薄く剥がれます。

  • 原因:日焼け(sunburn)です。髪が薄い方や頭頂部が薄い方に多く見られます。

  • 重症度・緊急性:多くは重くなく、剥がれたあとは1週間ほどで自然に良くなります。ただし、長年繰り返し日光を浴びると、頭皮の皮膚がんのリスクが高まります。

  • 受診の目安:広い範囲の水ぶくれ、発熱、または高齢の方で、ざらついた鱗屑や治らない傷が4週間を超えて続く場合です。

つば広の帽子や、分け目用のSPF 30以上の日焼け止めスプレーまたはパウダーで予防します。剥がれている間は皮膚をはがさず、低刺激のシャンプーと冷たい水を使ってください。

頭皮がとてもかゆいのに、フケは多くない

かゆみが主な症状で、フケが少ない場合は、乾燥以外の原因を考える必要があります。たとえば、シラミ(根元にしっかり付いた白い卵があり、息を吹きかけても取れません)、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、神経性のかゆみなどで、それぞれ治療法が大きく異なります。見分け方の詳細は頭皮のかゆみの原因をご覧ください。

頭皮のフケ5タイプの比較表

  • 頭皮の乾燥:白く細かい乾いたフケ · 脂っぽくなく赤くない · 冬に悪化 · 低刺激のシャンプーと保湿でケア

  • フケ・脂漏性皮膚炎:黄色く脂っぽい大きめのフケ · 赤みを伴うことも · 眉毛や小鼻の脇にも出る · ketoconazole 2%またはselenium sulfide

  • 乾癬:厚くて張りついた銀白色の鱗屑、境界のはっきりした発疹 · 生え際を越える · salicylic acidに加えて、医師の指示でステロイドまたはcalcipotriol

  • アレルギー・刺激:新しい製品や毛染めのあとの赤み、しみる感じ、腫れ · 原因を中止し、ステロイドを短期間使用

  • 頭部白癬:部分的なフケと髪の折れ・抜け毛 · 子どもに多い · 抗真菌薬の内服が必要

頭皮が乾燥しているときの洗髪方法

  1. 洗う回数を減らす:頭皮が脂っぽくなければ、一日おきか週2〜3回で十分です。洗わない日はお湯だけで流してもかまいません。

  2. 熱くないぬるま湯を使う:体温くらいの温度で、洗髪は5分以内に終えましょう。

  3. 低刺激のシャンプーを選ぶ:香料が入っていない、または少ないもので、穏やかな界面活性剤を使い、pHが皮膚に近いものを選びます。

  4. シャンプーは適量を使う:10バーツ硬貨くらいの量を頭皮につけます。毛先は泡が流れる程度で十分です。

  5. 爪ではなく指の腹でマッサージする:爪でかくと頭皮が傷つき、剥がれがひどくなります。

  6. コンディショナーは毛先だけにつける:しっかり洗い流してください。

  7. ドライヤーは温風で乾かす:頭皮から15センチ以上離して使うか、できれば自然乾燥にしましょう。

頭皮の乾燥を保湿するには

  • シャンプー前のオイル(pre-wash oil):mineral oilやココナッツオイルなどの軽いオイルを5〜10滴、頭皮にマッサージしてなじませ、15〜30分置いてから通常どおり洗います。週1〜2回行います。この方法は、本当に乾燥している頭皮にだけ向いており、フケや脂漏性皮膚炎には向きません。

  • 洗い流さないタイプの頭皮ケア製品:glycerin、ceramide、panthenol、または低濃度のureaを含む処方を選びます。アルコールや香料の多い処方は避けてください。

  • 寝室の湿度を上げる:エアコンを冷やしすぎないようにするか、加湿器で40〜60%程度に保ちます。

  • 水分を十分にとり、ほかの部位の肌にも保湿する:水分補給は全身の健康に役立ちますが、頭皮から皮脂を洗い流しすぎないことの代わりにはなりません。

  • 頭皮が剥がれている間は化学薬品を避ける:少なくとも2〜4週間は、カラー、ブリーチ、パーマを控えてください。

乾燥して剥がれる頭皮には、どんな有効成分のシャンプーを選ぶか

シャンプーは、商品名や宣伝文句ではなく、原因に合った「有効成分」で選びましょう。

  • ごく普通の頭皮の乾燥:低刺激で有効成分のないシャンプーでかまいません。glycerinやpanthenolが入っていると、つっぱり感が和らぎます。

  • 脂っぽいフケやフケ症:ketoconazole 2%、selenium sulfide 1〜2.5%、zinc pyrithione 1〜2%、またはciclopirox 1%を、3〜5分置いてから洗い流します。週2〜3回使います。

  • 厚く張りついた鱗屑:salicylic acid 2〜3%が鱗屑を取り除くのに役立ちます。週2〜3回使い、毎日は使わないでください。かえって乾燥が進みます。

  • 乾癬:coal tarは補助的に使えますが、多くの場合は医師が処方する外用薬の併用が必要です。

方法どおりに薬用シャンプーを4週間使っても良くならない場合は、考えている原因が違っていることが多いです。シャンプーを次々に変えるのではなく、医師の診察を受けてください。

頭皮の乾燥が炎症を起こしたときに医師が使う薬

頭皮が乾燥して赤くなったり、かゆくなったり、かきむしって発疹になったりした場合、医師は重症度に応じて次のような薬を使うことがあります。

  • 頭皮用の弱〜中程度のステロイド:たとえばhydrocortisone 1%やbetamethasone valerate 0.1%のローションを1日1回、1〜2週間使い、その後は中止するか一日おきに減らします。

  • 厚い発疹に対する強力なステロイド:たとえばclobetasol propionate 0.05%の液剤やシャンプーを15分置いてから洗い流す方法で、医師の指示がある場合に限り、短期間だけ使います。

  • 内服の抗ヒスタミン薬:たとえばcetirizineやloratadine 10 mgを1日1回。人によってはかゆみの軽減に役立ちます。

  • ステロイド以外の薬:たとえばtacrolimus 0.1%を、生え際や耳の後ろに、長期間の使用が必要な場合に使います。

薬が効いているサインは、3〜7日でかゆみが減り、2〜3週間でフケがはっきり減ることです。薬の選択、強さ、使用期間は医師が判断することです。強力なステロイドを自己判断で何か月も続けて使わないでください。皮膚が薄くなり、中止すると再発します。

子どもや赤ちゃんの頭皮の乾燥

生後2週間〜3か月の赤ちゃんの頭皮に、黄色く脂っぽいかさぶたが張りついている場合は、多くが乳児の頭皮の脂漏(Cradle cap)で、脂漏性皮膚炎の一種です。頭皮の乾燥ではありません。洗髪前にオリーブオイルまたはpetrolatumを塗って15〜20分置き、かさぶたを柔らかくしてから、柔らかいブラシでやさしくこすり取ってください。無理にはがさないでください。学童期の子どもでフケと部分的な抜け毛がある場合は、まず頭部白癬を疑う必要があります。アトピー性皮膚炎のある子どもは、頭皮の乾燥とかゆみを伴うことがよくあります。

頭皮の乾燥は抜け毛の原因になるか

ごく普通の頭皮の乾燥が毛根を直接傷めることはありません。ただし、強くかいたりフケを引っ張ったりすると、髪が折れたり抜けたりすることが一時的に増える場合があります。1日50〜100本程度の抜け毛は正常です。それを超える抜け毛が続く、髪が薄くなった部分がある、髪が根元で折れているといった場合は、頭部白癬、乾癬、円形脱毛症、ホルモンによる抜け毛など、ほかの原因を探す必要があります。

皮膚科を受診する目安

  • 洗髪方法を見直し、原因に合ったシャンプーを使って2〜4週間たっても改善しない

  • 厚くて張りついた鱗屑、境界のはっきりした赤い発疹、または生え際を越える発疹がある

  • 部分的な抜け毛、髪の折れ、膿をもった発疹がある。特に子どもの場合

  • 毛染めのあとに頭皮が腫れる、浸出液が出る、または顔やまぶたが腫れる

  • かゆくて眠れない、またはかきむしって傷から感染した

  • ひじ、ひざ、眉毛、小鼻の脇、爪の変形など、ほかの部位にも発疹がある

  • 高齢の方で、頭皮のざらついた鱗屑や傷が4週間を超えて治らない

皮膚科医は、フケや発疹の見た目の確認に加えて、頭皮の拡大鏡検査(ダーモスコピー)で診断できます。場合によっては、フケをこすり取って真菌の検査を行ったり、製品の成分へのアレルギーが疑われるときにパッチテスト(patch test)を行ったりします。そのほかの皮膚の病気の概要は皮膚疾患の記事一覧をご覧ください。

まとめ

  • 頭皮の乾燥では、白く細かい乾いたフケが出て脂っぽくありません。フケ(Dandruff)では、黄色く脂っぽい大きめのフケが出ます。

  • 頭皮の乾燥は、洗いすぎを減らし、熱くないぬるま湯と低刺激のシャンプーを使い、保湿することで改善します。抗真菌薬は必要ありません。

  • 脂っぽいフケやフケ症には、ketoconazole 2%を3〜5分置き、週2〜3回、4週間使います。

  • 厚くて境界のはっきりした鱗屑が生え際を越えている場合は乾癬を疑い、医師が処方する薬が必要です。

  • 毛染めの24〜72時間後に腫れて赤くなった場合は、PPDアレルギーを疑い、受診してください。

  • 正しくケアして2〜4週間たっても良くならない場合や、部分的な抜け毛がある場合は、皮膚科を受診してください。

頭皮の乾燥についてよくある質問

頭皮の乾燥と剥がれは、どう対処すればよいですか?

まず、頭皮から皮脂を洗い流す要因を減らします。つまり、一日おきか週2〜3回の洗髪にし、熱くないぬるま湯を使い、香料の入っていない低刺激のシャンプーに変えます。爪ではなく指の腹でマッサージし、ドライヤーは頭皮から離して温風で乾かし、剥がれている間はカラーやパーマを控えてください。本当に頭皮が乾燥しているのであれば、多くは2〜4週間で改善します。フケが脂っぽい、赤い発疹がある、またはこの期間で改善しない場合は、フケ、脂漏性皮膚炎、乾癬の可能性があり、それぞれ異なる有効成分が必要です。

頭皮が鱗屑のように剥がれる場合、どう治療すればよいですか?

頭皮が鱗屑のように剥がれる場合は、まずその鱗屑が薄いか厚いかを見ます。日焼けや化学薬品のあとの薄い鱗屑であれば、原因を中止して低刺激のシャンプーを使えば、たいてい1〜2週間で改善します。厚くて銀白色の鱗屑がしっかり張りついていたり、境界のはっきりした赤い発疹があったり、生え際を越えて広がったりする場合は、乾癬であることが多く、医師はsalicylic acidで鱗屑を取り除き、ステロイドの外用薬やcalcipotriolを併用します。鱗屑を自分ではがしたり削ったりしないでください。発疹が悪化し、感染する可能性があります。

乾燥した頭皮は、どのようにケアすればよいですか?

洗いすぎを抑えるのと並行して保湿します。たとえば、mineral oilやココナッツオイルなどの軽いオイルを5〜10滴頭皮にマッサージして、洗髪の15〜30分前に置き、週1〜2回行います。または、glycerin、ceramide、panthenolを含み、アルコールを含まない洗い流さないタイプの頭皮ケア製品を使います。エアコンで冷やしすぎたり乾燥させすぎたりしないようにしてください。このオイルの使い方は、乾燥した頭皮にだけ向いています。フケや脂漏性皮膚炎の場合は、オイルでフケが増えることがあります。

頭皮がかさぶた状に剥がれるのは、何が原因ですか?

頭皮のかさぶた状の鱗屑は、単なる乾いた粉状のフケと違い、下に病気があることが多いものです。よくある原因は、乾癬(境界のはっきりした赤い発疹と厚い銀白色の鱗屑)、脂漏性皮膚炎(黄色く脂っぽい鱗屑)、毛染めによるアレルギー性の発疹(浸出液が出たあと乾いてかさぶたになる)、子どもの頭部白癬(鱗屑と部分的な抜け毛)です。生後数か月の赤ちゃんでは、黄色く脂っぽいかさぶたの多くは乳児の頭皮の脂漏です。かさぶたが2〜4週間で治らない場合や、抜け毛を伴う場合は、皮膚科医の診察を受けてください。

頭皮が乾燥して剥がれるとき、どのシャンプーがよいですか?

商品名ではなく、原因に合った有効成分で選びます。ごく普通の頭皮の乾燥であれば、香料の入っていない低刺激のシャンプーで、有効成分は必要ありません。フケが脂っぽい場合やフケ症の場合は、ketoconazole 2%、selenium sulfide、zinc pyrithioneのいずれかを含むシャンプーを使い、泡を3〜5分置いて、週2〜3回洗います。厚く張りついた鱗屑には、salicylic acid 2〜3%のシャンプーを週2〜3回使います。本当に乾燥している頭皮にフケ用シャンプーを毎日使うと、かえって乾燥と剥がれが悪化しやすくなります。

頭皮が剥がれるとき、何を使えば治りますか?

あらゆるタイプの頭皮の剥がれに効く製品は一つもありません。乾燥が原因なら、洗髪方法を見直して保湿するのが最も効果的です。フケなら抗真菌薬入りのシャンプー、乾癬やアレルギーによる発疹なら医師が処方する外用薬、頭部白癬なら4〜8週間の抗真菌薬の内服が必要です。原因が分からないまま製品を次々に試すと、かえって刺激が増えがちです。2〜4週間ケアしても剥がれが続く場合は、皮膚科医の診察を受けて、病気に合った診断をつけてください。

執筆:Patara Voravutinon 医師、皮膚科専門医 · 最終確認日 2026年10月8日

この記事の情報は一般的な知識であり、個別の診断や処方ではありません。薬の選択、量、治療期間については、医師の評価を受けてください。

 
 
 

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