顔の皮むけ・粉ふきの原因は?皮膚科医が6つの原因を見分け、適切な対処法を解説
顔の皮むけ(facial scaling / facial desquamation)とは、顔の最も外側の皮膚が薄い膜状や白い粉状になって剥がれ落ちる症状で、皮膚のバリア(skin barrier)のバランスが崩れることで起こります。皮むけは病名ではなく、さまざまな状態に伴う症状です。最も多い原因は、空気の乾燥による乾燥肌(xerosis)、レチノイドや角質ケア用の酸による刺激(retinoid dermatitis)、顔の脂漏性皮膚炎(seborrheic dermatitis)、接触皮膚炎(contact dermatitis)、ステロイド外用薬による皮疹、そして顔の真菌感染(tinea faciei)で、原因ごとに治療法が異なります。
10月から1月にかけては、「顔 皮むけ」の検索数が雨季の約3倍、「顔 乾燥 皮むけ」は約4倍になります。多くの方がクリームを何度も替えても皮むけが続いており、問題の多くはクリームのブランドではなく、自分の皮むけの原因がまだ分かっていないことにあります。この記事では、皮むけの場所、粉の状態、一緒に出る症状から原因を見分ける方法と、それぞれに皮膚科医が使う治療、使用期間、受診の目安を説明します。
顔の皮むけとは?普通の乾燥肌とどう違うのか
皮膚の最も外側にある角層(stratum corneum)は厚さが約10〜20マイクロメートルで、レンガの壁のように働きます。皮膚細胞がレンガ、細胞の間にある脂質、つまりセラミド(ceramide)、コレステロール、脂肪酸がそれをつなぐモルタルの役目をしています。通常、皮膚細胞は一つずつ目に見えないほど少しずつ剥がれ落ち、ターンオーバーには約28〜40日かかります。
細胞間のモルタルが減ったり、炎症で皮膚のターンオーバーが通常より速くなったりすると、細胞が塊になって剥がれ、粉のように目に見えるようになります。そのため、「単に皮脂が足りない」のか「皮膚が炎症を起こしている」のかを見分けることが最も重要です。
通常の乾燥肌:細かい白い粉状で、赤みがないか、あっても軽く、保湿剤を1〜2日塗るとはっきり改善します。
炎症を起こした皮膚(皮疹):赤み、ヒリヒリ感、かゆみがある、または黄色くてべたついた皮むけがあります。皮むけが輪状または境界のはっきりした斑になり、保湿剤だけでは治りません。
水分不足の皮膚(dehydrated skin):一時的な状態で、脂性肌でも起こります。たとえば一日中エアコンの効いた部屋にいた後や、熱いお湯で洗顔した後などで、皮むけよりも突っ張り感が強く出ます。
30秒でできる皮むけの原因の見分け方:場所、粉の状態、一緒に出る症状を見る
クリームを選ぶ前に、鏡を見て次の3点に答えてください。それだけで原因の半分以上を絞り込めます。
どこが剥けているか 顔全体が同じように剥けている場合は、乾燥肌か刺激によることが多いです。小鼻の横、眉頭、眉間、生え際、耳の後ろに限られる場合は、脂漏性皮膚炎であることが多いです。口の周りや鼻の周りに出て、唇の縁だけ約2〜3mm残る場合は、口囲皮膚炎(perioral dermatitis)が疑われます。一つの輪が少しずつ広がる場合は、真菌が疑われます。
粉はどんな状態か 細かく白く乾いた粉は、乾燥肌か刺激です。黄色くべたついた粉が板状に付く場合は、脂漏性皮膚炎です。輪の縁が厚く中心が平らな場合は、真菌です。粗く硬い粉が同じ場所に何か月も続く場合は、日光による病変に注意が必要です。
一緒にどんな症状があるか クリームを塗る、または水に触れるとヒリヒリ・熱く感じる場合は、バリアがかなり傷んでいることを示します。強いかゆみや透明な小さな水ぶくれがある場合は、接触皮膚炎が疑われます。ニキビのような小さな赤いブツブツを伴う場合は、ステロイドによる皮疹や口囲皮膚炎が疑われます。
次の見出しから、原因ごとに説明します。各見出しで、特徴、原因、緊急度、受診が必要なタイミングを示します。
冬の乾燥やエアコンによる顔の皮むけ(Xerosis)
特徴:洗顔後に突っ張り、頬、あご、口の周りが細かい白い粉状に剥けます。ファンデーションを塗ると浮いてよれます。赤みは軽いかなく、かゆみもわずかです。
原因:冬場やエアコンの効いた部屋で空気中の湿度が40%を下回ること、熱いお湯での洗顔、1日2回を超える洗顔、アルカリ性(pH 9〜10)の洗顔フォームの使用、頻繁なスクラブです。50歳を超えると皮脂の分泌が減ります。
重症度・緊急度:危険ではなく、急いで受診する必要はありません。ケアの方法を見直すと、1〜2週間ではっきり改善することが多いです。
受診が必要なとき:保湿剤を正しい方法で2週間塗っても皮むけが続く、赤くてかゆい斑ができる、または全身が乾燥し、寒がり、体重増加、倦怠感を伴う場合です。甲状腺機能低下症の可能性があります。
対処法:ぬるま湯(熱くないもの)で、1日2回までの洗顔にします。pH 約4.5〜5.5のクレンザーを使い、タオルで軽く押さえて水分を少し残し、3分以内にセラミド、グリセリン(glycerin)、またはワセリン(petrolatum)を含む保湿剤を塗ります。非常に乾燥する場合は、ローションではなくクリームか軟膏(ointment)を使います。夜は、剥けている部分だけにワセリンを薄く重ね塗りしてもよいです。エアコンのある部屋で寝るときは、温度を下げすぎないか、加湿器を置いて湿度を約40〜60%に保ちます。尿素(urea)は、顔には2〜5%の低濃度のものだけ使えます。それより高い濃度は顔に塗るとしみることが多いです。全身の乾燥については、肌の乾燥・皮むけ・夜のかゆみの原因をご覧ください。
レチノール、ニキビ治療薬、角質ケア用の酸による顔の皮むけ(Retinoid dermatitis)
特徴:薄い膜状に剥け、赤みがあり、クリームや水に触れるとヒリヒリします。新しい製品を使い始めて3〜14日後に出ることが多く、皮膚が最も薄い口角、小鼻の横、目の下で強く出やすいです。
原因:細胞のターンオーバーを促すレチノイド(retinoids)、たとえばtretinoin 0.025〜0.1%、adapalene 0.1〜0.3%、retinol、そしてbenzoyl peroxide 2.5〜5%、glycolic acidなどのAHA、salicylic acidなどのBHAです。複数を同時に使うほど剥けやすくなります。
重症度・緊急度:多くは皮膚の慣れの過程(retinization)で、2〜4週目に最も強く出て、4〜6週間かけて徐々に改善します。アレルギーではありません。
受診が必要なとき:顔や目の周りが腫れる、水ぶくれができる、ヒリヒリして眠れない、または使用を7日間やめても赤みと皮むけが改善しない場合です。
医師が勧める対処法:永久にやめる必要はありません。レチノイドと角質ケア用の酸をすべて3〜7日間やめて、ヒリヒリ感が治まるまで待ちます。その間は保湿剤と日焼け止めだけを塗ります。その後、1つずつ「1日使って2日あける」方法で再開し、顔全体で緑豆1粒ほどの量を使います。レチノイドの前後に保湿剤を塗り(sandwich method)、口角、小鼻の横、まぶたは避けます。2〜4週間肌が耐えられたら、1日おきに増やします。レチノイドをAHA/BHAやスクラブと同じ夜に使わないでください。赤みやかゆみが強い場合は、医師がhydrocortisone 1%を薄く1日1〜2回、5〜7日以内で処方することがあります。レチノールの始め方の詳細は、レチノールとは?顔への使い方をご覧ください。
ニキビ治療薬Isotretinoin服用中の顔の皮むけ
特徴:ほぼ全員に唇の乾燥やひび割れが出ます。顔が乾燥して剥け、皮膚が薄く赤くなりやすく、目も乾きます。服用開始から1〜2週間以内に始まります。
原因:isotretinoinは皮脂腺を大きく小さくするため、服用している間は皮膚の皮脂分泌が少なくなります。
重症度・緊急度:予想される副作用で、危険ではなく、服用をやめて数週間以内に自然に治ります。
受診が必要なとき:唇が切れて滲出液が出る、赤くてかゆい斑ができる、目が赤く非常に乾く、または鼻血が頻繁に出る場合です。自分で薬をやめたり減らしたりせず、処方した医師に伝えてください。
ケア方法:唇にリップバームまたはワセリンを1日4〜6回以上塗ります。クリームタイプの保湿剤を朝晩塗ります。服用中は外用レチノイドと角質ケア用の酸はすべて使わないでください。ワックス脱毛や皮膚へのレーザーは医師の指示に従って控えます。皮膚が光に敏感になるため、毎日日焼け止めを塗ります。薬の詳細は、Isotretinoinの副作用とフォローアップをご覧ください。
顔の脂漏性皮膚炎:小鼻の横、眉頭、生え際の皮むけ(Seborrheic dermatitis)
特徴:薄い赤みのある斑に、白っぽい黄色でやや脂っぽい粉が付きます。小鼻の溝、眉頭、眉間、生え際、耳の後ろに出やすく、フケを伴うことも多いです。かゆみは軽く、よくなったり悪くなったりを繰り返し、ストレス、睡眠不足、冷たく乾燥した空気で悪化します。
原因:皮膚に常在する酵母のマラセチア(Malassezia)に対して皮膚が過剰に反応し、その部位に皮脂腺が多いことが重なります。不潔だからではなく、うつることもありません。
重症度・緊急度:危険ではありませんが慢性の病気で、うまくコントロールできても、薬を早くやめすぎると再発しやすいです。
受診が必要なとき:保湿剤を塗っても治らない、大きな斑に広がる、または2〜4週間ごとに繰り返す場合です。目印は「濃厚な保湿クリームを塗ると悪化する」ことで、ある種の油は酵母の栄養になるためです。
医師がよく使う薬:ketoconazole 2%クリームを1日1〜2回、2〜4週間塗り、その後は再発予防のため週1〜2回に減らします。または、ketoconazole 2%シャンプーを顔の症状のある部分に付けて3〜5分置いてから洗い流し、週2〜3回使います。赤みが強い時期には、hydrocortisone 1%を3〜7日間の短期間使うことがあります。目の周りや繰り返す方には、カルシニューリン阻害薬のtacrolimus 0.03〜0.1%またはpimecrolimus 1%を1日2回使うことがあり、長期間使っても皮膚が薄くなりません。最初の1週間は軽く熱くしみることがあります。詳しくは脂漏性皮膚炎の原因と長期的に落ち着かせる治療法をご覧ください。
化粧品によるかぶれ・刺激(Contact dermatitis)
特徴:顔が赤くなり、かゆみ、ヒリヒリ感、皮むけが出ます。新しい製品を使って数時間から2〜3日後に始まります。アレルギーの場合は、小さな水ぶくれやまぶたの腫れが出ることがあり、塗った場所に皮疹が出やすいです。たとえば、ヘアカラーのアレルギーでは額、生え際、耳の後ろに出ます。
原因:2種類あります。刺激性(irritant)は、化粧水のアルコール、スクラブ、高濃度の酸など、皮膚を直接傷める物質によるもので、十分に使えば誰でも起こります。アレルギー性(allergic)は、その物質に過敏な人だけに起こり、香料、防腐剤、ヘアカラーのパラフェニレンジアミン(PPD)、携帯電話や眼鏡のニッケルなどがあります。
重症度・緊急度:顔が腫れる、目が開けにくいほど腫れる、または滲出液が出る場合は、24〜48時間以内に受診してください。
受診が必要なとき:すべての製品をやめて1週間たっても改善しない、ブランドを替えても繰り返す、または何に対するアレルギーか知りたい場合です。その場合は、物質を貼って調べるパッチテスト(patch test)が必要で、48時間後と96時間後に結果を読みます。
対処法:不要なものはすべてやめ、低刺激のクレンザー、無香料の保湿剤、ミネラル日焼け止め(mineral sunscreen)だけにします。かゆみや炎症がある場合は、医師がhydrocortisone 1%またはdesonide 0.05%を1日1〜2回、5〜7日間処方し、かゆみを減らすためにcetirizine 10 mgを1日1回などの抗ヒスタミン薬を併用することがあります。強いステロイドを自己判断で顔に使ってはいけません。接触アレルギーについては、アレルギー性接触皮膚炎の症状・原因・治療もご覧ください。
ステロイド外用薬や無登録の美白クリームによる顔の皮むけ
特徴:使い始めの時期は顔がすぐ明るくなり、肌がなめらかになりますが、数日やめると顔が真っ赤になり、熱く、ヒリヒリして皮が剥けます。ニキビのような小さな赤いブツブツが出ますが白い芯はありません。毛細血管がはっきり見えたり、口の周りや小鼻の横に小さなブツブツが出たりします(perioral dermatitis)。
原因:顔にステロイドを2〜4週間より長く塗ることです。特に手作りのクリームや届出番号のないクリームには、clobetasolなどの強いステロイドが隠れて混ぜられていることが多く、皮膚が薄くなり、薬に依存してしまいます。
重症度・緊急度:命に関わることはありませんが、自分ですぐにやめると、皮膚が1〜3週間ひどく悪化すること(rebound)が多く、塗り続けると皮膚が永久に薄くなることがあります。
受診が必要なとき:薬の減らし方を計画し、やめている間の症状をコントロールするため、必ず全員が受診してください。
医師がよく使う薬:医師の計画に従ってステロイドをやめるか少しずつ減らします。metronidazoleジェル 0.75〜1%を1日1〜2回、またはazelaic acid 15〜20%を塗ります。炎症性のブツブツが多い場合は、医師が低用量のdoxycycline 40〜100 mgを1日あたり6〜8週間処方することがあります。この薬は妊娠中の方と8歳未満の子どもには使えません。詳しくはニキビと間違われやすい口囲皮膚炎をご覧ください。
顔の真菌感染:境界のはっきりした輪状の皮むけ(Tinea faciei)
特徴:赤い輪状または不定形の皮疹で、縁が盛り上がって赤く、中心より粉が厚くなります。輪は少しずつ広がり、片側だけに出ることが多く、汗をかくとかゆくなります。
原因:白癬菌(dermatophyte)による感染で、ペット、特に子猫や子犬からうつるか、自分の股や足の白癬から広がります。
重症度・緊急度:危険ではありませんが、誤診されることが非常に多いです。ステロイドを塗ると、皮疹はいったん薄くなり、その後広がり、境界が以前ほどはっきりしなくなり(tinea incognito)、診断がさらに難しくなります。
受診が必要なとき:広がる輪状の皮疹がある、家族やペットに似た皮疹がある、または皮疹の薬を塗って広がった場合です。医師は皮膚の粉をこすり取って顕微鏡で真菌を調べ(KOH)、数分で結果が分かります。
医師がよく使う薬:clotrimazole 1%、ketoconazole 2%、terbinafine 1%などの抗真菌外用薬を、皮疹の縁から2cm外まで1日1〜2回、2〜4週間塗り、皮疹が治った後もさらに1〜2週間塗り続けます。皮疹が広い、複数の場所にある、または以前にステロイドを塗っていた場合は、医師の判断でterbinafine 250 mgを1日1回2〜4週間内服するか、itraconazoleを使うことがあります。抗真菌外用薬の比較は、抗真菌外用薬の選び方と使用期間をご覧ください。
顔とまぶたのアトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis)
特徴:顔の皮膚が乾燥して剥け、かゆみが非常に強く、こすることで目の周りやまぶたの皮膚が厚くなります。アレルギー、鼻炎、喘息の既往があったり、子どもの頃から関節の内側に皮疹があったりすることが多いです。
原因:生まれつきの皮膚バリアの弱さに、免疫の過敏さが重なります。そのため皮膚は水分を失いやすく、炎症を起こしやすくなります。乾燥した空気、ほこり、汗で悪化します。
重症度・緊急度:慢性ですが危険ではありません。ただし、滲出液や蜂蜜色のかさぶたがある場合は、細菌の二次感染の可能性があるため、早めに受診してください。
受診が必要なとき:かゆみで眠れない、毎月繰り返す、またはまぶたに出ている場合です。まぶたには、自己判断でステロイドを長く使うべきではありません。
医師がよく使う薬:基本は保湿剤を1日2回使います。悪化している時期は、hydrocortisone 1%やdesonide 0.05%などの弱いステロイドを1〜2週間以内で使います。目の周りや繰り返す方には、tacrolimus 0.03%(2〜15歳の子ども)または0.1%(大人)を1日2回使い、その後は再発予防のため週2回に減らします。詳しくはアトピー性皮膚炎の原因をご覧ください。
日焼け後、またはレーザーやケミカルピーリング後の顔の皮むけ
特徴:日焼けの後に顔が赤く熱くなり、3〜7日で膜状に剥けます。または、レーザーやケミカルピーリング(chemical peel)の2〜7日後に小さな茶色い粉状に剥けます。
原因:傷んだ外側の皮膚が剥がれ落ち、新しい皮膚に入れ替わるためで、通常の修復の過程です。
重症度・緊急度:多くは危険ではありませんが、日焼けで水ぶくれができる、発熱や悪寒がある、または施術後に膿が出る、痛みが強くなる場合は受診が必要です。
受診が必要なとき:広い範囲の水ぶくれ、膿や黄色いかさぶた、2週間を超える皮むけ、または皮むけの後にシミができた場合です。
ケア方法:色素沈着(post-inflammatory hyperpigmentation)の可能性が高まるため、皮や粉をはがしたり引っ張ったりしないでください。10〜15分冷やし、保湿剤やワセリンで常に肌をうるおします。レチノイドと角質ケア用の酸は5〜7日間やめ、SPF 30以上の日焼け止めを毎日塗ります。施術後は、施術を行った医師の指示に従ってください。
同じ場所の硬い粉が数か月治らない場合:必ず診察を受けてください
特徴:粗くて硬い粉で、触るとサンドペーパーのようにざらつき、大きさは3〜10mmです。額、頬、鼻、手の甲に出て、はがしても同じ場所に戻り、時に血がにじみます。
原因:何十年も日光を浴びてきた皮膚です。前がん状態である日光角化症(actinic keratosis)や、基底細胞がん(basal cell carcinoma)などの早期の皮膚がんの可能性があります。
重症度・緊急度:緊急ではありませんが、待つべきではありません。特に屋外で働く50歳を超える方は、2〜4週間以内に診察を受けてください。
受診が必要なとき:同じ1か所の粉が4週間を超えて続く、潰瘍になる、または大きくなるたびに受診してください。このような粉は保湿剤では治りません。医師は、凍結療法、外用薬、または組織を採取して調べる生検で対応することがあります。
顔の皮むけとヒリヒリ感:皮膚のバリアが壊れているサインです
以前は使えていたクリームを塗ったときや、水だけに触れたときにヒリヒリしたり熱く感じたりする場合は、バリアがひどく傷んでいて、さまざまな物質が通り抜けて神経終末を刺激しやすくなっていることを意味します。よくある原因は、レチノイド、角質ケア用の酸、スクラブ、アルコール入り化粧水を重ねて使うことです。次に多いのは、接触皮膚炎とステロイドによる皮疹です。
この間は1〜2週間の「肌を休める期間」をとります
作用のある製品をすべてやめ、3つだけにします。低刺激のクレンザー、無香料の保湿剤、日焼け止めです。
成分が少なく、セラミド、パンテノール(panthenol)、グリセリンを含む保湿剤を選びます。
どのクリームもしみる場合は、ひとまず純粋なワセリンを薄く塗ります。刺激物質がほとんどないためです。
1週間休んでもヒリヒリ感、腫れ、水ぶくれが続く場合は受診してください。刺激ではなくアレルギーの可能性があります。
自宅でできる顔の皮むけのケア:ほぼすべての原因に使える6つのステップ
ぬるま湯で洗顔する(熱いお湯は避ける) 1日2回まで、1回30〜60秒以内にします。
肌に近いpH(約4.5〜5.5)のクレンザーを使う 石けんや、洗い上がりに突っ張る洗顔フォームは避けます。
洗顔後3分以内に保湿剤を塗る 肌がまだ少し湿っているうちに塗ると、水分を肌の中に閉じ込めやすくなります。
スクラブをせず、粉をはがさない 肌が十分にうるおえば粉は自然に落ちます。こすると、バリアがさらに壊れます。
毎朝日焼け止めを塗る 皮むけしている肌は、普段より光に敏感だからです。
寝室の湿度を上げる 約40〜60%に保ち、水は普段どおり飲みます。体に必要な量を超えて水を飲んでも、顔の皮むけが早く治るわけではありません。
6つのステップをすべて行っても2週間で改善しない場合は、単なる乾燥肌ではなく、皮膚の病気が隠れている可能性があります。
顔の皮むけにはどのクリームがよい?ブランドではなく成分で選ぶ
皮むけに実際に役立つクリームは3つの働きをします。1つの製品に少なくとも2つは含まれているものがよいです。
水分を引き込む成分(humectants):グリセリン、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、パンテノール、2〜5%の低濃度の尿素などが、肌に水分を引き込みます。
皮脂を補う成分(emollients):セラミド、コレステロール、脂肪酸、スクワラン(squalane)などが、細胞の間のすき間を埋めて肌をなめらかにします。
水分の蒸発を防ぐ成分(occlusives):ワセリン、ジメチコン(dimethicone)、シアバター(shea butter)などが肌を覆い、水分の蒸発を最もよく防ぎます。
皮むけの間は避けたいもの:香料、化粧水のアルコール(alcohol denat.)、精油、粒状のスクラブ、届出番号のないクリーム、3〜7日で顔が明るくなるとうたうクリームです。
重要な例外:脂漏性皮膚炎のある方は、ココナッツオイルやオリーブオイルのような天然の濃い油を塗らないでください。酵母の栄養になるためです。代わりに、グリセリンやジメチコンを含む軽い質感のクリームを選びます。
皮膚科医が使う薬:原因別
この記事に出てきた薬を一か所にまとめます。これらの薬は診断に合わせて選ぶ必要があり、原因が合わないと悪化することがあります。薬の種類と量は、診察後に医師が判断します。
通常の乾燥肌:セラミド、グリセリン、またはワセリンを含む保湿剤を1日2回、冬の間ずっと続けます。顔には尿素2〜5%。
炎症してかゆい乾燥肌:hydrocortisone 1%を1日1〜2回、5〜7日以内。
レチノイドによる刺激:3〜7日やめてから、1日使って2日あける方法で再開し、保湿剤を併用します。赤みやかゆみが強い場合は、hydrocortisone 1%を短期間使います。
脂漏性皮膚炎:ketoconazole 2%クリームを1日1〜2回、2〜4週間、その後は週1〜2回。目の周りと長期使用には、tacrolimus 0.03〜0.1%またはpimecrolimus 1%。
接触皮膚炎:アレルギーの原因をやめます。hydrocortisone 1%またはdesonide 0.05%を5〜7日間。かゆいときはcetirizine 10 mgを1日1回。繰り返す場合はpatch testを受けます。
ステロイドによる皮疹と口囲皮膚炎:計画に従ってステロイドを減らします。metronidazole 0.75〜1%またはazelaic acid 15〜20%。症状が強いときはdoxycycline 40〜100 mgを1日あたり6〜8週間。
顔の真菌感染:clotrimazole 1%、ketoconazole 2%、またはterbinafine 1%を2〜4週間、治った後もさらに1〜2週間。皮疹が広い場合はterbinafine 250 mgを1日あたり2〜4週間内服。
アトピー性皮膚炎:保湿剤を1日2回。弱いステロイドは1〜2週間以内。目の周りにはtacrolimus。
薬が効いているサイン:ヒリヒリ感とかゆみが3〜7日以内に減り、粉が2週間以内にはっきり減ります。2週間たっても全く改善しない、または皮疹が広がる場合は、診断を見直す必要があるため、再度受診してください。かゆみ止め外用薬の各グループについて詳しく知りたい方は、かゆみ止めの塗り薬の正しい選び方をご覧ください。
皮むけを長引かせる誤解
「皮むけは削り落とさなければならない」:誤りです。粉を削ると、まだ準備のできていない新しい皮膚が空気にさらされ、さらに乾燥してしみます。肌が十分にうるおえば、粉は自然に落ちます。
「剥けるのはクリームが効いている証拠で、肌が生まれ変わっている」:レチノイドに慣れる最初の2〜4週間に限っては当てはまります。ヒリヒリ感、腫れ、かゆみを伴う場合や6週間を超える場合は、良い兆候ではありません。
「顔が剥けるのは水分不足だから、水をたくさん飲まなければならない」:普段どおりの水分で十分です。顔の皮むけの多くは、外側の皮膚から水分が空気中に失われることで起こるため、水を増やすのではなく皮膚そのものを整える必要があります。
「ココナッツオイルは誰にでも効く」:通常の乾燥肌には多少役立ちますが、脂漏性皮膚炎を悪化させ、ニキビができやすい人では毛穴をふさぎます。
「ステロイドクリームを塗って治ったから、使い続けてよい」:医師の管理なしに顔へ2週間を超えてステロイドを使うと、ステロイドによる皮疹の原因となり、顔の真菌感染を気づかないうちに広げてしまいます。
肌がとても乾燥する場合は何を食べればよい?食事とビタミンはどこまで役立つか
栄養不足のない人で、特定の食べ物やビタミンのサプリメントが顔の皮むけを治すという証拠はまだありません。皮膚に直接ケアするほうがはるかに効果的です。ただし、考えておくべきケースがいくつかあります。
実際の栄養不足:亜鉛(zinc)、ビタミンB3(niacin)、ビオチン(biotin)の不足は、皮膚が赤く剥ける原因になりますが、バランスのよい食事をとっている人では非常にまれです。厳しい減量をしている人、飲酒量が多い人、腸の吸収に問題がある病気のある人に見られることが多いです。
オメガ3脂肪酸:海の魚や魚油に含まれ、軽い乾燥肌や軽い炎症のある肌に役立つ可能性があるという情報がありますが、保湿剤の代わりにはなりません。
体の病気:全身が乾燥し、寒がり、抜け毛、体重増加、倦怠感がある場合は、甲状腺の機能を調べてください。また、糖尿病や慢性腎臓病のある人は、一般の人より肌が乾燥しやすいです。
皮膚科を受診すべきとき
自宅での6つのケアをすべて行って2週間たっても改善しない、または皮むけが4週間を超えて続く
顔が腫れる、目の周りが腫れる、水ぶくれがある、またはヒリヒリして眠れない(24〜48時間以内の受診を目安とします)
滲出液、膿、金色がかった黄色いかさぶたがある(細菌の二次感染の可能性があります)
少しずつ広がる輪状の皮疹がある、または家族やペットに似た皮疹がある
届出番号のないステロイドクリームや美白クリームを2〜4週間より長く使ったことがある
同じ場所の硬い粉が4週間を超えて続く、はがしても戻る、または血がにじむ
顔の皮むけに加えて、発熱、関節痛、頬の蝶形の赤い皮疹、または体の他の部位の皮疹がある
皮膚科医は、皮むけの場所と状態を確認します。真菌を調べるために粉をこすり取って顕微鏡で見る(KOH)、物質に対するアレルギーが疑われるときはpatch testを行う、治らない単独の粉の場合は組織を採取して調べることがあります。頭皮にも皮むけがある場合は、頭皮の乾燥と皮むけはフケとどう違う?をご覧ください。また、その他の皮膚疾患については皮膚疾患の記事一覧をご覧ください。
要点
顔の皮むけは症状であり、病気そのものではありません。主な原因は、空気による乾燥、レチノイドや酸による刺激、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、ステロイドによる皮疹、そして真菌です。
顔全体に細かい白い粉が出る場合は、乾燥肌か刺激であることが多いです。小鼻の横や眉に黄色くべたついた粉が出る場合は、脂漏性皮膚炎であることが多いです。広がる輪状の皮むけは、真菌を考える必要があります。
ぬるま湯で洗顔し、pH 4.5〜5.5のクレンザーを使い、3分以内にセラミド、グリセリン、またはワセリンを含む保湿剤を塗ります。
レチノイドによる皮むけの場合は、3〜7日やめてから、1日使って2日あける方法で再開します。永久にやめる必要はありません。
顔に自己判断でステロイドクリームを5〜7日を超えて塗らないでください。真菌が広がり、ステロイドによる皮疹が起こります。
正しくケアして2週間たっても良くならない、または腫れ、水ぶくれ、輪状の皮疹、同じ場所の硬い粉がある場合は、皮膚科を受診してください。
顔の皮むけについてよくある質問
顔の皮むけとヒリヒリ感は何が原因ですか?
皮むけとヒリヒリ感が同時にある場合は、多くはバリアがひどく傷んでいて、さまざまな物質が入り込んで神経終末を刺激していることを示します。最も多い原因は、レチノイド、AHA/BHA、スクラブ、アルコール入り化粧水を重ねて使うことです。次に多いのは、化粧品による接触皮膚炎と、ステロイド入りクリームをやめた後に出る皮疹です。まずは、作用のある製品をすべてやめて、低刺激のクレンザー、無香料の保湿剤、日焼け止めだけを1〜2週間使ってください。それでもヒリヒリする、腫れる、水ぶくれがある場合は、皮膚科を受診してください。
顔が乾燥して剥けるときは何を使えばよいですか?自分で買えますか?
自分で買えます。ブランドではなく成分で選んでください。セラミド、グリセリン、パンテノール、ワセリンを含む無香料の保湿剤を探します。冬はローションよりクリームタイプが向いています。どのクリームもしみる場合は、ひとまず純粋なワセリンを薄く塗ってください。hydrocortisone 1%は薬局で買え、赤みやかゆみがあるときに顔に使えますが、5〜7日を超えないようにし、真菌が疑われる場合は皮疹が広がるため使わないでください。顔が剥けている間は、アルコール入り化粧水とスクラブは避けてください。
顔の皮むけにはどのクリームがよいですか?
原因によります。通常の乾燥肌なら、グリセリンのような水分を引き込む成分、セラミドのような皮脂を補う成分、ワセリンやジメチコンのような覆う成分がすべて入ったクリームを、洗顔後3分以内に1日2回塗ります。小鼻の横や眉に黄色くべたついた粉が出る場合は、多くは脂漏性皮膚炎で、ketoconazole 2%などの抗酵母薬が必要です。濃厚な油は避けてください。輪状で境界がはっきりしている場合は、真菌の可能性があり、抗真菌薬を2〜4週間使う必要があります。保湿クリームだけでは治りません。
皮が剥けるのにかゆくないのはなぜですか?
全くかゆくない皮むけは、多くは空気による通常の乾燥肌、洗顔のしすぎ、またはレチノイド使用の初期の慣れが原因です。保湿剤を正しく塗れば、1〜2週間以内に改善します。ただし、数ミリの硬い粉が同じ場所にあり、触るとざらつき、はがしても同じ場所に戻る場合、特に日光によく当たる50歳を超える方では、日光角化症(actinic keratosis)や早期の皮膚がんの可能性があります。かゆみはありませんが、2〜4週間以内に医師の診察を受けてください。
肌がとても乾燥する場合は何を食べればよいですか?
バランスのよい食事をとっている人では、顔の皮むけをはっきり治す食べ物やビタミンのサプリメントはありません。保湿剤を正しく塗るほうがはるかに効果的です。海の魚のオメガ3は、乾燥肌に少し役立つ可能性があります。亜鉛、ビタミンB3、ビオチンの不足でも皮むけは起こりますが、まれで、食事を抜く人、飲酒量が多い人、腸の病気のある人に多く見られます。全身が乾燥し、寒がり、抜け毛、体重増加がある場合は、甲状腺を調べてください。水は普段どおり飲めば十分で、必要量を超えて飲む必要はありません。
レチノールで顔が剥けるときは、使用をやめるべきですか?何日で治りますか?
永久にやめる必要はありません。最初の皮むけは皮膚の慣れで、2〜4週目に最も強くなり、4〜6週間以内に改善します。ヒリヒリするほど剥ける場合は、レチノイドと角質ケア用の酸をすべて3〜7日間やめてヒリヒリ感が治まるのを待ち、その後、1日使って2日あける方法で再開します。緑豆1粒ほどの量を使い、前後に保湿剤を塗り、口角、小鼻の横、まぶたは避けます。肌が2〜4週間耐えられたら、1日おきに増やします。顔が腫れる、水ぶくれがある、または7日間やめても改善しない場合は、アレルギーの可能性があるため受診してください。
執筆:Patara Voravutinon 医師(皮膚科専門医) · 最終確認日 2026年10月9日
この記事は知識として情報を提供するもので、診断ではありません。薬の選択、強さ、使用期間は、実際に皮膚を診察した後に医師が判断します。


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