
頭部白癬(Tinea Capitis):症状、原因、効果的な治療法
頭部白癬(Tinea Capitis)は、頭皮と髪に起こる真菌(カビ)の感染症で、5〜15歳の学童期のお子さまに最もよく見られます。患部への直接の接触、持ち物の共用、ペットを介して感染しやすい病気です。大切なのは、治療せずに放置すると、真菌が毛包を傷め、永久的な脱毛や瘢痕(cicatricial alopecia)につながるおそれがあることです。この記事では、皮膚科専門医が症状、診断、治療、感染を広げない方法について解説します。
頭部白癬の症状
頭部白癬の症状は、円形の脱毛から強い炎症まで、さまざまです。よく見られる症状は次のとおりです。
まだらな脱毛:頭皮に円形の脱毛が生じます。1か所のこともあれば、複数か所に及ぶこともあります。
毛が折れてできる黒い点:髪が短く折れて、黒い根元が頭皮に残ります。これは black dot 型と呼ばれる頭部白癬です。
かゆみとフケ・かさぶた:頭皮が強くかゆくなり、眠りを妨げるほどになることもあります。フケやかさぶたを伴うこともあります。
強い炎症:Kerion は、進行期に生じる赤く腫れて痛む炎症性のしこりです。永久的な瘢痕を残すおそれがあるため、早急な治療が必要です。
診断と治療
医師は、真菌培養(fungal culture)や、髪の毛を調べる KOH 検査(KOH preparation)で原因菌を確認して診断します。治療で重要なのは、抗真菌薬の内服(oral antifungal)が必要だという点です。真菌は毛包の深くに入り込んでおり、塗り薬では届かないためです。
抗真菌薬の内服:よく使われる内服薬は Griseofulvin または Terbinafine で、通常は医師の判断のもと、6〜8週間続けて服用します。
抗真菌シャンプー:抗真菌成分を含むシャンプーを併用し、真菌の胞子がほかの人にうつるのを抑えます。
治療を続けること:医師の指示どおり最後まで治療を続け、経過を確認してください。早くやめてしまうと、真菌が再発するおそれがあります。
感染の予防と広げないための方法
頭部白癬は学童期のお子さまの間で広がりやすいため、予防も治療と同じくらい大切です。心がけたいポイントは次のとおりです。
共用を避ける:くし、帽子、タオルを他の人と共用しないでください。散髪用の道具も共用しないようにします。
ペットとの接触に注意する:ペットは真菌の感染源になることがあるため、触れたあとはこまめに手を洗いましょう。
早めに気づいて受診する:お子さまに円形の脱毛があり、かゆみやかさぶたもある場合は、できるだけ早く皮膚科を受診してください。治療が遅れると、永久的に髪を失うおそれがあります。
よくあるご質問
頭部白癬は塗り薬だけで治りますか? いいえ。頭部白癬には Griseofulvin や Terbinafine などの抗真菌薬の内服が必要です。真菌が毛包の深くに入り込んでいて、塗り薬では届かないためです。抗真菌シャンプーは、感染を広げにくくするための補助として使います。
治療にはどのくらいかかりますか? 通常は、医師の判断のもと、内服薬を約6〜8週間続けて服用します。再発を防ぐため、最後まで治療を続けてください。
頭部白癬で髪が永久に抜けることはありますか? 早めに治療すれば、髪は再び生えてくることが多いです。ただし、強い炎症(Kerion)まで進んだ場合や、治療が遅れた場合は、瘢痕が残り、永久的な脱毛になるおそれがあります。早めの受診をおすすめします。
家族にうつりますか? はい。頭部白癬は接触や持ち物の共用でうつります。くし、帽子、タオルの共用を避け、症状のある方は受診してください。
頭部白癬は、正しく診断され、適切に薬を使い続ければ治せる病気です。お子さまに円形の脱毛があり、かゆみやかさぶたもある場合は、Siam Dermatology の皮膚科専門医にご相談ください。電話:+66 61 448 7000、LINE:@siamderm
執筆:Patara Voravutinon 医師(皮膚科専門医)・最終確認日 2026年7月16日


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